京都VS東京 国宝対決の軍配はどちらに?!
国宝びっくり豆知識⑦
『日本の宝』(9月25日刊行より引用)
「国宝」という言葉が誕生して、ちょうど120年を迎えた2017年。京都国立博物館で開催中の「国宝展」が話題だ。京都は、国宝を多く所有する都道府県ナンバー2で、有形• 無形の文化遺産に溢れている。この町に暮らす三人が、「京都×国宝」をテーマに熱く語ります。
京都の国宝は
実は東京に収奪されている
井上章一(以下、井上) ところで、有名な国宝に高山寺の『鳥獣人物戯画』があります。本物は東京の国立博物館にあり、高山寺にあるのは、よくできたレプリカなんですよね。京都の人は、京都には国宝がいっぱいあると思っているかもしれないけれど、実は、けっこう東京に収奪されているということもこの際言っておきたい。文化財は海外ではなくて、東京に流れていると。
佐々木丞平(以下、佐々木) 建物以外の、動産文化財は、戦前戦後に企業家が購入したこともあり、それが東京に移動し、集中した面もあります。
井上 とはいえ、精巧なレプリカがあるのは大事なところですね。東京に奪われたと思わせない配慮がなされている(笑)。
佐々木 高山寺さんはさらに配慮されていて、『鳥獣人物戯画』4巻が東京に集中しないよう、東京国立博物館と京都国立博物館で2巻ずつ分けて預けていらっしゃるんですよ。
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京都国立博物館 開館120 周年記念 特別展覧会「国宝」
会期:2017 年10 月3日(火)〜11 月26 日(日)
会場:京都国立博物館 平成知新館
開館時間:9:30 ~ 18:00(金• 土曜日は20 時まで) ※入館は閉館の30 分前まで。
休館日:月曜日(ただし、10 月9日(月• 祝)は開館、10 日(火)休館。
観覧料:一般1500 円(1300 円)、大学生1200 円(1000 円)、高校生900 円(700 円)
※( )内は20 名以上の団体料金。高校生以下、障がい者とその介護者1名は無料(要証明)